#3 御書印帖50店舗巡了の旅「調布巡礼2店舗編」
私が大学生だったころは東京都調布市の深大寺の近くにあるアパートを借りて、そこから原付で三鷹市にある大学へ通っていました。
地元の東京では生まれ育った八王子か、学生時に過ごした調布は思い入れのある場所になります。今回は八王子での用事があった前日に、あえて調布で宿をとり御書印対象店を2店舗まわってきました。
御書印は対象店舗で300円支払えば捺してもらえますが、せっかくならば御書印の趣旨に則って、できる限りその書店とのご縁にちなんだ本を購入していきます。
- 必ず本を1冊以上購入する
- できればその土地や本屋に縁のある本を選ぶ
- 自分が読みたい本を選ぶ
とくに大型書店はその書店ならではの特色を抽出しにくいので、あくまでも自分が読みたい本の範囲に限ったゆるいルールでスタートします。

TEGAMISHA BOOKSTORE

2階が店舗で、手紙社がセレクトした本と、手紙社の現行オリジナル雑貨全商品が揃うお店。
1階は自家醸造ビールを含む13タップの国内クラフトビールが飲めるパブ「TEGAMISHA BREWERY」です。

手紙社とは東京都調布市を中心に、長野県松本市、群馬県前橋市に店舗を構えるカフェ・雑貨・書店です。業種はさまざまですが、一貫して日常と非日常の間にあるような空間づくりを掲げています。

ほとんどの棚は新刊ですが、古本コーナーも少しだけ設けられていました。
棚はジャンル・コンセプトで分けられているので、比較的本も探しやすかったです。

手紙社の雑貨がこちらですべて揃うらしい。マスキングテープやデザインペーパーが豊富ですね。もちろん社名の通り手紙関連の商品もたくさんあります。
ちなみに「手紙社」と「手紙舎」の表記ですが、正式な法人名は株式会社手紙社であり、お店の屋号としては手紙舎を使用しているそうです。創業時にデザイナーに「手紙社」でお願いしたところ、両方のデザインが出てどちらも捨てがたく併用してる裏話があります。

奥にはイートイン・読書スペースがあり、ドリンクを注文してほんのひと時を過ごせます。
イエズス会の寄宿学校での出来事や、父の死、ナチの高官でユダヤ人迫害に加担した祖父への言及などの自伝的エッセイ。ドイツで死刑が廃止される12日前に斬首刑となった男の犯罪実話や、収支報告書の改竄で告訴された男といった、弁護士として出会った人々との交流譚。
刑事弁護士にして作家であるシーラッハならではの視点が、47編の短編として詰め込まれています。

- 住所:東京都調布市下石原2-6-14 2F
- 営業:14:00-20:00(土日12:00から)
- 定休:火曜日
- 電話:042-440-3477

真光書店 本店

調布といえば深大寺。深大寺といえば水木しげる。調布の本や、その地域に縁のある水木しげるの特設本棚を設けた書店。
調布駅のすぐ近くと地元民にとっては立地が良く、自社ビル(真光書店ビル)の地下1階にあります。車や自転車は停める場所を考えないといけません。

入り口が狭いなと思っていたところ、かなり奥行きのある店内になっています。店舗入り口からだんだんと末広がりな形状で、一番奥の最も広いエリアがコミック売り場です。ビジネス・理工系書籍も充実している印象でした。

少し前まではビルの1階と地下1階で営業していたようですが、現在は売り場を縮小したぶん、より厳選した本をおいているそうです。

調布にまつわる本を集めた特設コーナーには、水木しげるの棚も設けられており、関連書籍が豊富に並んでいます。
真光書店のオリジナルブックカバーは水木しげるのイラストが採用されているので、本を1冊買っておくと記念になると思います。

深大寺恋物語という恋愛短編小説の公募事業で、深大寺、神代植物公園、門前の蕎麦屋など、深大寺地域一帯を舞台にしています。神代植物公園は年パスを利用して通い詰めていたので、個人的な記憶も重なってとても惹かれる冊子でした。
水木しげるが幸福に生きるために実践している7か条と、彼の生涯を辿る自伝的エッセイ・人生論です。描き下ろしのミニ漫画も収録されていました。
これを読んで私は、水木しげるがとても恵まれた人であり、運が良く、自分の気持ちにまっすぐで、たくさん苦労してきた、とにかく波乱万丈な人なのだと知りました。それなのに本人は飄々とした態度であることに大物だと感じざるをえません。

- 住所:東京都調布市布田1-36-8 真光書店ビル 地下1階
- 営業:10:00-20:00
- 定休:なし(年末年始をのぞく)
- 電話:042-487-2222
私が調布に訪れたタイミングでは市内に御書印対象店舗が2店舗のみでしたが、2025年から新たに1店舗追加されて現在市内に3店舗あります。





