【日間賀島スナップ】タコだらけの町の離島ならではの空気感
日間賀島は愛知の離島3島の一つ、知多郡南知多町の海の幸が豊富な小さな島です。
島の周囲5.5㎞と歩いても簡単に一周できるほどですが、そこに住む地元の人も多く日本一人口密度の高い島とも呼ばれています。地元の人と多くの観光客によって、常に人が行き交う離島といえるでしょう。

今回の旅行目的はキックボードで島を爆走することでしたが、お店が休みだったのでゆっくり歩いて島内を散策していました。ゆっくり歩いていると気が付く島の特徴や、そこに住む人々の営みにも気が付くようになります。
島内のスナップ写真を交えながら、気が付いたことや日間賀島について調べたことを書き記しておきます。
日帰りで荷物がある場合などは西港ひまポ内のコインロッカーか、東港の切符売り場のコインロッカーを利用すると身軽になれます。ちなみに東港のほうが建物は古いけど、ロッカー料金は安いのでおすすめです。

やっぱり島中タコだらけ

遠くからでも圧倒的に目を引くタコの駐在所。正式には「半田警察署 日間賀島警察官駐在所」です。
これほど有名な島のアイコンとなると、ここに住んでいる警察のかたも落ち着かないのではないか…。

南海岸沿いに積まれたたこ壺。
タコは体を保護する外殻をもたないので、狭くて暗いたこ壺の中に潜む習性があります。居心地よくフィットしているから、海から引き上げる際に壺から逃げるタコは滅多にいないそう。

そのたこ壺の背景にある壁(崖)にトリックアートのタコが描かれています。日間賀島でおなじみのピンクの「島でもドア」×タコのコラボ。

漁に使用する網を干す場所?っぽいです。
マンホール


タコorふぐの絵柄に、波とかもめと水仙のマンホール。
水仙は島内であちこちに咲いており、波とかもめは港町を象徴しているようです。
造船所とシラス

製作中の船や、修理工場なども見かけました。何百隻もの漁船を抱える日間賀島では、海に出る人だけでなく、陸で船を整備する人たちも島の産業を支えていますね。

側溝のコンクリート蓋から白い湯気が微妙に見えるのがわかりますでしょうか。

その日に水揚げされたしらすを即時加工販売する卸業者です。茹でたしらすの香りなどが漂ってきます。
ガソリンスタンド

知っているガソリンスタンドとはだいぶ様相が違います。離島や港町に多い「簡易型・漁業向け給油設備」という感じですね。
オオイタビ

海岸沿いによく落ちていた、ぶよぶよした見た目が絶妙にキモイ果実。
オオイタビというらしいです。茎から出る気根で固着しながら岩などを這い上る植物で、特に海岸近くの暖地に自生します。
イチジクに似ていますが食用は不可。鳥も食べる様子がなさそうです。ただし雄株と雌株があり、完熟した雌株は生食やジャム加工して食べられます(島にあったのは見た限りすべて雄株でした)
ノーヘルバイク率の高さ

東港の目の前に島唯一の信号機がありますが、交差点のどちらも点滅信号なので一般的な信号の役割を果たしていません。島内で育った子供が「信号機の概念」を知るために設置されています。年に1度だけ青信号が灯る交通安全教育が行われるそう。
もう一つ気になったことが、島内の車と原付のナンバーですね。知多半島の大部分は名古屋ナンバーになるようで、日間賀島と篠島は名古屋ナンバーです。しかし三河3島の佐久島だけは三河ナンバーなので不思議(佐久島は西尾市だからですね)

原付は南知多町のナンバーでした。
島の外周は車があると便利ですが、内陸側は細く入り組んだ坂道が多いので、圧倒的に原付バイクのほうが利便性が高いですね。
以前から思っていたことですが、島内の現地民の多くが原付バイクを移動手段としており、ほぼ全員ノーヘルです。ヘルメットをかぶっている人を見つけるほうが難しいくらい。
車もほとんどシートベルトをしておらず、唯一ヤマト運輸の集配トラックだけきちんと着用していました。

ノーヘルやシートベルトの違反点数は1点で反則金はありません。ノーヘル運転が他人を害するよりも、自己加害的行為かつ依存性とも無関係なことから、そう厳しい取り締まりを受けるものではないからですね。
私有地と公道の境界も曖昧でしょうし、離島ならではの事情が垣間見えた気がします。

小さなコミュニティにおいて住民自治がしっかり機能していることもあって、事故でも起きない限り取り締まりの対象になることはなさそう。
逆に駐在所の警察が細かなことに目くじら立てていたら、地域コミュニティでは住みづらくなりそうです。

令和5年3月31日に閉校して、日間賀島の中高生たちは船に乗って南知多町本土の学校に通っているそうです。
島の子供たちは本土に行って、信号の多さとヘルメット・シートベルトの着用義務に驚くのかもしれません。
意外とゴミが多い

海岸沿いはほとんど漂着したごみでしょうけど、わりとあちこちでゴミを見かけます。

観光に訪れた人が捨てていくゴミも少なくないかも。島の景観と雰囲気が良いだけに、集まったゴミを見かけるともったいない気がします。

落ちてるパンダ。

海岸の注意書き。捨てるくせに罪悪感から逃れようと、テトラポットの隙間など見えない場所に捨てる人がいます。
日間賀島パワースポット

島民の大漁と安全、子孫長久を祈願して、たこ阿弥陀が祀られています。
日間賀島には他にもいくつもの社寺があります。
- 安樂寺(縁結び)
- 呑海院(子宝子育て)
- 長心寺(安産)
- 大光院
- 日間賀神社
- 八幡神社
海の景色

どこでもドアを模した「島でもドア」が島内に2ヶ所あり、そのうちの一つは海岸沿いで多くの観光客が目にしていると思います。
私が2年前に訪れたときは全部ピンクでしたが、今回は枠だけピンクでドアは青でした。時には枠だけ残ってドアが消失したり、全部青になったりするそうです。定期的な塗り替えでわけわかんないことになってますね。

普段は海のない岐阜県に住んでいるので、時々海のある場所へ行くと気分が切り替わりますね。

島内をたくさん飛び回っていて、食べ歩きをしていると盗られることもあるようなので気をつけてください。視力が非常に優れ雑食なので、たこ饅頭が奪われるトラブルが多いそうです。
島の人たち

日間賀島唯一のコンビニ、ヤマザキショップは地元のかたも観光客も利用されます。観光中に日用品や衛生用品など不足があった際に助かります。営業時間は21時まで。

西港周辺はとくに地元住民の行き交いが多く、日々の営みやローカルな雰囲気が感じ取れます。
東や北の港側は見かける人は減りますが、漁や加工の仕事に従事している人たちをよく見かけました。

レンタサイクル屋「いこい」のおじさんはとても親切でした。
その隣の「すばる」で電動キックボードを借りたかったけど、漁に出て不在なのか、冬の平日で客が少ないからやらないのか。残念でしたが、それもまた人間味ある出来事の一つですね。
ほとんど食べて散歩して終わった1泊2日。日間賀島観光は特別なことをしてなくても、心に残るものが多い旅になります。

